40年の時を超えて蘇る【セリカ1600GT-第1回】
…40年間、ここで眠り続けていました。
家族みんなの為に尽くし、現在は定年されたご主人の為にサプライズプレゼントとして奥様からご依頼いただきました。
「復活した愛車に乗ってもらいたい」そんな奥様の思いから、このセリカのレストアは始まりました。
奥様の依頼を受け、セリカの引取に伺いました。早速内部を覗き込む石川顧問がひとこと。
・・・内部は良い状態を保っている。
車両の状態確認は新明へ持ち込んだ後に詳しく確認するとしてまずはここから車を引き出していきましょう。
道路に面した納屋の中に、まるで外から見つかることを拒むようにひっそりとたたずんでいました。
写真をよくご覧いただくと、タイヤを外しジャッキアップされています。
オーナー様はいつかこの日を想定し、車とタイヤを分けて保管するほど、このセリカを大切にしていたのでしょうね。
納屋の片隅からちらっと覗いているタイヤと純正ホイール。…やりがいを感じます。
この車両が当時付けていたアルミホイールは今はもうないとのことでした。
ブレーキは固着し、タイヤは回りません。当然、エンジンもかかりません。
会社から持ち込んだ移動用のタイヤ&ホイールを装着し、3人で車を手押ししてみますが
…やはりびくともしません。
諦めて引っ張り出すことにしました。
積載車の牽引ワイヤーを活用し、慎重に引っ張っていきます。
大切な車を傷めないよう最新の注意を払います。
少々苦労はありましたが、慣れたスタッフにより手際よく回収され、無事引き上げ完了です。
40年間眠り続けた納屋に一時別れを告げ、新明工業にてレストアをしていきます。
次にこの納屋へ帰るころにはピカピカになっていることでしょう。
どのような姿になるか楽しみですね。
新明工業はトヨタ博物館様のお手伝いをさせていただいております。
実は今回この修復中の車をクラシックカーフェスティバルに展示させていただきました。
(オーナー様のお許しもいただいています。)
次回はその様子をご紹介したいと思います。
小話
この日のことを書くにあたり、石川顧問がこんな話をしてくださいました。
長いこと納屋にこもっていたこのセリカ、エンジンルームを開けてみると中に大量の落花生が。
エンジンルームの中に動物がいる光景はよく目の当たりにするという石川顧問も何者かの食べかすが中にあるこの状況を本当に珍しいことだ、と教えてくれました。
中に入れる小さい動物なら…ネズミ?とも思われましたが、落花生を運びながら登るのはとても無理のある話だそう。
石川顧問は
おそらくリスだな
教えてくださいました。
セリカを秘密基地にしていたリス…
なんともかわいらしい話ですね。
続く