組付け(中編)【セリカ1600GT-第11回】
「あれもこれも…ないものだらけだ…」
順調に進んでいた組付け。
しかし何か問題があったようです…。
前回の終盤で問題があったのはこの部分。
ドアガラスについている「チャンネル」という部品で、ガラスと昇降機構を繋げる部分にあたります。
初めて見る方はわからないと思いますが、全てコマがないんです。
コマがこのレールに入ることによってドアウインドのスムーズな作動が得られます。
これがないと昇降時に嫌な音がしたり、ドアを閉めた時にガチャガチャと大きな音が鳴ってしまいます。
この部品がなくなっていたり、劣化してボロボロのものを数台見ました。
セリカには多い不具合ではないでしょうか。
…ということでないものは作ってしまいます。この青い部品が作ったコマです。
この部分はローラーにも見えますが回転はしません。
これはドアウインドの前後方向の位置を決めるものです。
ないとガラスの上下に不具合が出やすくなるのでローラーっぽいものと、ピンを製作し取り付けます。
なんだかんだで仕事は進み、ここまで来ました。
フェンダーミラーやタイヤを取り付けていきます。
ここがつくとかなり車らしい見た目になりますね。だいぶ完成に近いです。
リアビュー、何か物足りないと思ったらウインドガラス周囲のメッキモールがない。
これ、現在部品が手に入らないんです。
修復前はこんなかんじです。
ガラス周りのメッキがぐるっと1周ないんです。
知っている方もいらっしゃるかと思いますが、このモール、角部やツナギの部品以外は樹脂製品の為
ボロボロで手に負えない状態でした。
…やはり作るしか再現ができません。
ないものは作る。
鈑金職人 磯西さんの手により製作と相成りました。
本来は樹脂製品にメッキされているのですが、ステンレスの板材から作ってもらい、磨いて使用することにします。
とりあえずできた下側モール。
諦めかけていた部分が再現されていくのは感動します。
次回、ついに組付けが完了しこのセリカが甦ります。
…続く