現状確認 【セリカ1600GT-第2回】
クラシックカーフェスティバル、お疲れ様でした。
新明工業 レストアチームにとってこのイベントはその名の通りお祭りです。
今年も何とか無事に終えることができました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございます。
またこのような催し事もこのブログでご案内できればと思います。
さて、納屋から引き出したセリカの話に戻りましょうか。
「…え!?白じゃないの!?」
工場に持ち込まれたセリカ、そしてこの言葉…
この車の状態を確認し、本来の姿を調べていきます。
外観、塗装
あの納屋から運び込まれたセリカ。早速車両の状態を見ていきましょう。
一旦車両を洗浄機器で洗い、細かく車をチェックしていきます。
このセリカ、本来はメッキバンパーなのですが、ボデー色に塗られています。
車両型式はTA27、つまり1600GTです。
一見、悪くなさそうですが、実はきています。
正面から見たセリカはまるで目の充血した病人のよう…
なんだか違和感を感じます。
…?
右のフェンダーとボンネットにわずかな段差ができています。
左と比べるとラインが真っ直ぐに通っていません。
何かあったのでしょうか?
これが違和感の要因の1つのようです。
フェンダーの変形と関係あるのでしょうか?
バンパーの建付けも良くない感じです。
FRバンパーとグリルの間の板をガーニッシュと呼びますが、まるで燃えたかのよう様に錆びています。
これ、どうしていきましょうか?
この車両、下から湿気が上がったようです。
地面にいちばん近いところが特にやられているようです。
ロッカーパネル(実はカバーですが、)は使えないかもしれません。
フェンダーの「GT」の部位は、ほぼどの車も同じ様にやられるんですよね。
窓の周辺などまんべんなく錆が浮き出ています。
中には腐食によって穴が開いてしまっている箇所もあると思われます。
リア周りも結構なものですが、メッキ部品はやはり腐食が進んでいますね。
【2000】のエンブレムはオーナー様が昔にご自分で取り付けられたものだそうです。
エンジンルーム内にエアーホーン
…当時はやったんでしょうね。
今回、取り外すことにしましょう。
エンジンルーム内の落花生など掃除してみると…
あれ…茶色い…?
この車、もしかして元々白色では無い??
そうなんです、白いセリカに見えていたこの車、実は新車の時はこのような姿だったようです。
↓↓↓
かなり印象が変わりますね。
納屋の片隅に置かれていたホイール。
タイヤは取り外しました。
結構腐食が進んでおり、表面はボコボコです。
ボデーも下地からの錆浮が車全体に多くみられるので、塗装を剥離していこうと思います。
中々楽しい作業になりそうです…。
次回、お待ちかねの作業編に入りましょうか。
〜マニア向け小話〜
この日、エンジンも回してみました。
バッテリーを接続し燃料を抜き、(燃料タンク内は意外なことに綺麗で助かりました。)
その他下準備を行い
イグニッション(IG)キーをまわすと…
クランキングできました。
スターターは生きているようですが
何かおかしい。
クランキングが軽すぎる感じです。
実はコンプレッションを測定すると
どのシリンダーも0.3Mpa以下です。
通常1.0Mpaは有ってくれないと
正常ではありません。
当然、燃料を入れてもかかりません。
エンジンはオーバーホールが必要です。
続く